マルニ木工のダイニングチェアを6脚修理へ出した理由
先日、長年使ってきたマルニ木工のダイニングチェア6脚を、まとめて修理に出しました。
張替えや細かなメンテナンスを含めると、費用はおよそ 35万円。
自宅まで引き取りに来てくれ、仕上がった椅子も丁寧に搬入してくれるため、その手間賃も含めた金額です。
新品を買おうと思えば、もっと安く手に入る椅子はいくらでもあります。
しかし、今回修理を選んだのは――この椅子が「先代から引き継いだもので、すでに廃番」だから。
廃番になったモデルだからこそ、代わりが効かない。
だからこそ、修理してでも使い続けたいと思える椅子なのです。
張替えの色選びは熟考の末「モスグリーン」
張替えの布地を選ぶ際も、かなり時間をかけました。
部屋全体の雰囲気はブラウン基調で落ち着いた空間。その中で椅子が浮いてしまっては意味がありません。
そこで選んだのが、英国の伝統色ともいえる “モスグリーン”。
落ち着きと品があり、使うほど味が出る色。
ブラウンの家具との相性が抜群で、クラシックな雰囲気も演出してくれます。
仕上がった椅子を見たときは、「この色にしてよかった」と心から思いました。
マルニ木工という“物作りの姿勢”に惚れている
費用を考えれば、確かに「新品を買ったほうが安い」のは事実。
それでも修理を選んだのは、マルニ木工というメーカーそのものへの信頼感もあります。
丁寧な物作り、手作業を大切にする姿勢、そして何より「修理しながら長く付き合える家具」を作っている点。
最近は家具でも“使い捨て”のような価格帯のものが多くなりましたが、マルニ木工はその対極にあります。
しっかり修理して、10年、20年、場合によっては一生使い続けられる。
この“長く寄り添う家具”という考え方が、私はとても好きなのです。
ハートマンのキャリーバッグにも通じる「一生もの」の価値
最近購入した、ハートマンのツイードのキャリーバッグも同じです。
あれも決して安い買い物ではありませんが、修理体制がしっかりしており、長年使うことを前提に作られた製品です。
良い物というのは、「手にした瞬間に分かる」のではなく
“長年使ったあとに良さが分かる”
そんな気がしています。
家具も、バッグも、家電も、そして身につける物も――
私はこうした“育つ製品”“直せる製品”に価値を感じる年齢になったのかもしれません。
修理を終えた椅子を見て感じたこと
修理を終えた6脚の椅子が部屋に並んだ瞬間、空間全体が引き締まりました。
モスグリーンの張地が柔らかく光を吸い込み、まるで新しい家具を迎えたような、新鮮な気持ちにさせてくれます。
家具は単なる道具ではなく、生活や家族の歴史とともにあるもの。
修理をするという選択は、ただモノを直すだけではなく
「これからの10年、20年を共に過ごす家族を迎え直す行為」
なのだと感じました。
これからも、丁寧な物作りの企業と一緒に、自分の“日々の道具”を育てながら生きていきたいですね。
