私の知人に、お店を経営し多くのスタッフを抱えている人がいます。
その人は、スタッフに上質なホスピタリティを学ばせるために、かなり思い切ったことをしました。なんと、一人あたり一泊10万円以上のホテル宿泊予算をかけて、全員に体験や学びの機会を与えたそうです。
高級ホテルのサービスや一流の接客など、普段なかなか体験できない世界を知ることで、仕事に活かしてほしいという思いがあったのでしょう。
しかし、本人の話では「思ったほどの成果は出なかった」と言っていました。
贅沢は数回の体験では身につかない
その話を聞いた時、私は学ばせてもらった側の気持ちがよく分かる気がしました。
というのも、贅沢というものは、数回体験しただけでは身につくものではないと思うからです。
一度や二度、高級な場所を体験しても、それは「特別な経験」で終わってしまいます。
日常の感覚として理解できるようになるには、ある程度の時間や回数が必要なのではないでしょうか。
50代から感じた「贅沢への慣れ」
私自身の話になりますが、50代くらいから時間や金銭的な余裕が少し出てきました。
それからは、割と高級なホテルに泊まったり、ランチでも数万円する店に行くことが増えてきました。
すると、気が付いた頃には、身内から「随分贅沢になったね」と言われるようになりました。
良く言えば、贅沢が身についたということなのかもしれません。
しかし、別の見方をすれば、贅沢が当たり前になり、贅沢に慣れてしまったとも言えるでしょう。
昔のように「ありがたい」と強く感じる感覚は、少し薄れてしまった部分もある気がします。
つまり、身につくということは、ある意味では「慣れる」ということなのかもしれません。
贅沢と無駄の違いは難しい
よく「贅沢は良いが無駄はダメ」と言われます。
しかし、この「無駄」という言葉は、実はとても解釈の幅が広く、説明が難しいものだと思います。
人から見れば無駄に見えることでも、本人にとっては有意義な経験や投資であることも多いからです。
例えば、使えるかどうか分からないものを、イチかバチかで試してみることがあります。
結果として使えないものが出てくることもあるでしょう。
また、本来なら解約してもいいものでも、「いざという時のため」に残しておく場合もあります。
その結果、結局使わずに終わることもありますが、その時はそれなりの理由があったわけです。
無駄を減らす人の習慣
では、どうすれば無駄を減らすことができるのでしょうか。
私なりの考えですが、毎日何かしら整理整頓をしている人は、無駄が出にくいのではないかと思います。
例えば物の整理であれば、書類の整理、納戸の整理、冷蔵庫の整理など、とにかく一日一か所でも整える習慣を持つことです。
そして、散らかしたら必ず元の状態に戻す。これを繰り返すだけでも、余計なものは増えにくくなります。
思考の整理も同じ
整理整頓は、物だけの話ではありません。
考え方にも同じことが言えると思います。
例えば、日記やレポートのような形で、その日の出来事や考えを大まかにまとめるだけでも、頭の中が整理されます。
もちろん、整理しても結論が出ない問題もあります。
そういう場合は、無理に答えを出さなくても良いと思います。
「今日はここまでが結論」として、一度区切るだけでも十分です。
整理整頓の習慣が無駄を減らす
結局のところ、日常的に整理整頓をしている人は、無駄が少ないように感じます。
物も、考えも、少しずつ整えていく。
その積み重ねが、余計な出費や無駄な行動を減らしていくのではないでしょうか。
贅沢と無駄の違いは簡単に説明できるものではありませんが、日々の整理整頓の習慣が、その境界線を自然に整えてくれるのかもしれません。
