私は、20代後半の頃にある感覚を身につけました。
それは、「神経をどこにでも自由に持っていける感覚」です。
特に、指先に神経を集めることを覚えた瞬間から、あらゆる作業の精度と快適さが一変しました。
指先に神経を持っていく感覚とは
たとえば、絵を描くとき。
ただ漠然と筆や鉛筆を動かすのではなく、筆先や鉛筆先、さらには紙との摩擦まで意識を通わせる。
この感覚を持てるようになると、線の一本一本に命が宿るような気がします。
自分の身体の延長として道具を使える——それが、まさに「感覚が通った状態」です。
神経の集中がもたらす変化
この感覚を覚えてから、細かい作業が格段に楽になりました。
指先に意識を送ることで、動作の無駄が減り、微妙な力加減ができるようになるのです。
同時に、精神面でも雑念が消え、自然と集中状態に入れます。
作業前に意識的に「ギアを上げる」感覚を持つことで、脳と身体のスイッチが入るのです。
大谷翔平選手に見る“神経の使い方”
野球の大谷翔平選手のような、スケールの大きなアスリートを見ていると、
単に筋肉や体格に恵まれているだけではないことに気づきます。
彼らは、大きな肉体を繊細にコントロールする能力に長けているのです。
つまり、体を“持て余さず”、全ての動きに神経を通わせている。
そのバランス感覚こそが、超一流の証なのでしょう。
身体を通じて感覚を磨く
私は、運動をする前の準備体操も非常にゆっくり行います。
ただ筋肉を伸ばすのではなく、どの関節が動き、どの筋が緩むかを感じ取るようにしています。
「いま指先まで神経が届いた」と実感できたとき、身体全体が滑らかに連動していく。
そんな感覚が生まれるのです。
感覚を磨くことは、人生を磨くこと
感覚を研ぎ澄ますということは、単なる技術の習得ではありません。
それは、自分の身体と深くつながる行為です。
絵を描くことも、料理をすることも、歩くことさえも変わっていく。
日常の中に“神経を通す”意識を
神経を自由に操る感覚は、特別な訓練がなくても少しずつ磨けます。
物を掴む、歩く、ペンを持つ——そんな日常の中で、
「いま自分の動きに神経が通っているか?」を感じるだけでも十分です。
その繰り返しが、やがて大きな違いを生みます。
この感覚を身につけてから、私はどんな作業でも「身体が自然と動く」ようになりました。
神経が通った瞬間、すべてが一体となる。
それこそが、私が20代で手に入れた何よりの財産です。

