秋サンマを味わいながら感じた“食の変化”
先日、とある店舗で 秋サンマ定食(2匹) を注文しました。
今年のサンマは「何処で食べても美味しい」とニュースになるほどの当たり年。
期待を胸に、久しぶりにその店を訪れました。
その店は以前、すべて店内で調理していた完全な手作りスタイル。
しかし、大手外食産業のコロワイド傘下に入ってからは、セントラルキッチン方式に切り替わりました。
買収後の変化と“味の距離”
買収後も数回訪れましたが、最初に気づいたのはフライ(揚げ物)の質感でした。
衣と具材の密着感がなく、どこか“工場的”な印象。
「これは冷凍食品だな」とすぐにわかってしまいました。
もちろん、セントラルキッチン方式にも多くの利点があります。
品質の安定化や人件費削減、衛生面の管理など、現代の外食業には欠かせないシステムです。
しかし、食べる側として感じるのは「味の距離感」。
店内で焼き立て・揚げたてを味わっていた頃に比べると、どうしても温もりが薄く感じます。
今回の秋サンマは“原点回帰”の味
そんな中、この日のサンマ定食は違いました。
冷凍とはいえ、焼き立ての香ばしさがしっかりと感じられ、「これは店内調理だろう」と思えるほどの出来でした。
脂ののったサンマに大根おろし、湯気の立つ味噌汁。
その瞬間だけは、セントラルキッチンという言葉を忘れ、ただ純粋に“旬の味”を楽しみました。
それでも“手作りの温もり”が好き
私は決して、セントラルキッチン方式を否定しているわけではありません。
会合や出先ではファミレスも利用しますし、効率化やコスト面の工夫も理解しています。
ただ、それでもやはり出来たての手作り感には特別な魅力があります。
素材の息づかいを感じる料理には、人の想いがこもっている気がするのです。
手作りの味を求めて、また次の一軒を探したくなる。
それもまた、外食の楽しみのひとつかもしれません。
まとめ:味の裏側にある“作り手の距離”
- セントラルキッチンは便利だが、“手作り感”は減少しがち
- 秋サンマのような旬の素材は、やはり店内調理の良さが光る
- 効率化と温もり、その両立が今後の外食の鍵
- 「出来たてを味わう」喜びを、これからも大切にしたい

