絵画展が終わって感じたこと
先週、出展していた絵画展が無事に終了しました。
今回出展した作品は、P40号(1000×727mm)という比較的大きなサイズの作品です。
私自身としては、自分の想いや人生観を十分に込めた作品でした。
制作期間中も何度も構想を練り、自分なりに納得できるまで描き込みました。
完成した時には、「これが今の自分だ」と思えるほどの会心作だったのです。
重鎮からの厳しい指摘
ところが、絵画展の会員の重鎮から厳しい指摘を受けました。
「もっと絵に主体性を持たせた方が良い」
「もっと自分の言いたいことを作品に込めるべきだ」
正直、その言葉を聞いた時は驚きました。
なぜなら、その二つこそ、今回の作品で最も意識し、こだわった部分だったからです。
自分では十分に表現したつもりだったのです。
作者には見えていても、観る人には見えていない
しかし冷静に考えると、その指摘は的を射ていたのかもしれません。
私は作品に込めた意図を知っています。
どの部分にどんな意味を持たせたのかも理解しています。
ですが、それは作者だから分かることです。
第三者が作品だけを見た時に、その想いが伝わらなければ意味がありません。
実際、今回の作品は私が横に立ち、説明を加えて初めて成立する部分が多かったように思います。
つまり、作品単体では十分に伝達できていなかったのです。
自己満足で終わりたくない
私は決して「自分が満足できればそれで良い」とは考えていません。
むしろ逆です。
多くの人に見てもらい、作品の意図が伝わり、共感してもらえる作品を目指したいと思っています。
音楽で例えるなら、ポピュラーソングのようなものです。
作曲家の自己表現だけでなく、多くの人の心に届いて初めて価値が生まれる。
私はそういう作品に魅力を感じます。
観る人を意識した作品づくり
格闘技でも同じです。
勝敗だけを追求するのではなく、お金を払って観に来ている観客を楽しませる試合があります。
もし観客を意識しないのであれば、人のいない原っぱで決着をつければ良いことになります。
芸術も同じではないでしょうか。
観る人がいて、感じる人がいて、初めて作品は社会との接点を持ちます。
だからこそ、私は観覧者に寄り添う作品を作りたいと思っています。
もっと強弱とメリハリが必要
今回の反省点として感じたのは、画面全体のメリハリです。
どこを見てほしいのか。
何を最も伝えたいのか。
そのための強弱が足りなかったのかもしれません。
構図、色彩、明暗、素材感。
観る人の目を自然に誘導する技術も必要です。
そして、それを支える丁寧な描写力や技術力も欠かせません。
ただ想いを込めるだけでは伝わらない。
想いを伝えるための技術が必要なのです。
次回作への構想
既に次回作の構想も少しずつ考えています。
平面作品だけではなく、一部に立体物を取り入れることも検討しています。
さらに、大きな作品を三枚連結するような表現方法にも興味があります。
作品の大きさ。
手法の独自性。
着眼点。
そして画面の強弱。
これらをもっと意識していきたいと思います。
反省があるから次がある
今回の作品は、自宅に飾っています。
改めて見ても、自分としては好きな作品です。
時間も労力も注ぎ込みましたし、自分の生き様を込めた大作だと思っています。
しかし、その一方で「伝わらなかった」という事実も受け止めなければなりません。
芸術は、自分が表現したことと、人に伝わることが必ずしも一致しません。
だからこそ難しく、だからこそ面白いのでしょう。
今回の絵画展は反省の多い展示となりました。
しかし、その反省こそが次の作品への大きな財産になる気がしています。
